軽いフットワークで市民の声を政治に活かします
むとう千里の「はっぴぃ通信」
2011年10月20日 246

議会報告A―ひとり暮らし高齢者への「入浴券」なくさないで!
突然廃止の説明に市議会は…

 9月の第3回定例市議会は昨年度の決算審査が行われ、私の所属する厚生員会では市民生活に身近な福祉分野の審査をしました。

 高齢者福祉分野の担当職員の説明で、ひとり暮らし高齢者への社会参加、引きこもり防止施策として実施してきた「入浴券」(希望者に年間30枚の入浴無料券を配布)を、来年度から廃止する検討をしていると説明がありました。

 議員からは、「廃止の理由は?」「入浴券廃止後の代替施策は?」「利用者の中で自宅にお風呂がない方はどうなるのか?」などの質問が出されましたが、市側の答弁は、「市内の銭湯が減り、銭湯のある地域が偏っているため」との説明で、代替策や利用者の風呂の有無などについての明確な回答はありませんでした。

ニーズは高まっているのでは?

 調布市は、10年前に介護保険制度が導入された時、「現金給付から現物給付へ」と、介護休養手当などの制度を廃止。しかし入浴券については、年間60枚だったものを30枚に縮小しましたが制度は残しました。最近の利用実績は08年度885人、09年度915人、10年度930人と増加しています。

 高齢化が進む中で、年をとっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるということが、大きなテーマとなっています。調布市のひとり暮らし高齢者の数は5,485人(2010年度)。市では社会福祉協議会や、地域の包括介護支援センターなどと協力して、高齢者の居場所づくりや、見守りネットワークなどの充実に力を入れてきました。今年度も、ひとり暮らし高齢者の方が給食を食べたり、交流をしたりするふれあい給食事業を新たに北の台小学校で実施します(11月スタート)。入浴券の廃止は、こうした高齢者の地域生活を支援する施策の方向に相反しているように思えてなりません。

 また、ふれあい給食事業などの参加型の交流の場も必要ですが、そうした場に参加されない方々も大勢います。その中には、認知症の方、介護保険利用には至らないものの自分で食事の用意や家事ができない方もいて、地域の包括支援センターなどではどのように見守るのか、生活支援に結びつけるのかが課題となっています。

 高齢者が、長年の人生でつくってきた一人ひとりの条件や生活スタイルを大切にしながら、地域での生活を支援する工夫が必要です。こうした視点から、入浴券は当たり前の生活の一部を支援する貴重な施策といえます。

審議の結果は

 厚生委員会の審議を受けて行政側の姿勢が変化し「入浴券については、廃止を前提とした検討はしない。高齢者の意向を調査する」旨の答弁がされました。

 あらためて、市民生活の実態をしっかりとつかむこと、直接声を聞くことの大切さと、議会審議の重さを実感しました。