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むとう千里の「はっぴぃ通信」
2014年9月25日 №273
政治が貧困を加速する国から、貧困の連鎖を断ち切る国へ
 7月に発表された日本の子どもの相対的貧困率(2012年)は16・3%、6人に1人は家庭の年収が約120万円以下という実態が明らかになり、子どもの貧困が社会問題になっています。とくに、母子家庭などひとり親家庭の貧困率は54・6%と非常に高くなっています。
 子どもの貧困は、虐待やDV、病気や精神疾患、それらによる家庭崩壊など、複合的な困難が絡まっていることも多く、家庭が社会から孤立しがちです。
市内の保育園や学校でも
 市内の保育園に伺ったところ、「半数がひとり親家庭というクラスもある。母親は非正規が多く、少ない収入を補うためにダブルワーク、トリプルワークで毎日遅くまで働きづめで、親同士のつながりが持てるようにと援助しているけど、忙しすぎて人と関わる余裕がない」とのお話でした。
 学校でも、「学校の給食が唯一の温かい食事」「何日もお風呂に入っていない」といった子どももいて、気持ちが勉強に向かう以前の状況があるとのことです。
 ごく普通の家庭生活を経験できないまま成長する子ども。家庭や親、日々の暮らしのことが心配で毎日不安を抱え、勉強どころか、将来への希望など持つことができない…その結果、大人になっても安定した仕事に就けない…。貧困の連鎖が指摘されています。
支援事業の充実で援助の手を
 市内には、こうした子どもたちが安心して過ごせる居場所が民間団体によって作られ、青少年期の子どもたちが温かい食事を食べたり、勉強をしたりしています。
 市は、この事業を支援するほか、ひとり親家庭や生活困窮家庭を対象にした学習支援事業の実施を予定しています。そして学習支援にとどまらず、相談事業や子どもの居場所としての機能、子どもが将来を見通したイメージを持てるような支援などを行なうことも検討されているとのことです。この事業が、子どものぬくもりとなるよう、また、困難を抱えている家庭の拠り所となるといいなと思います。
国の抜本的な対策こそ急務
 しかし、経済的困窮への抜本対策なしに本当の解決は不可能です。
 ところが8月末に発表された政府の子どもの貧困対策の大綱は、当事者から求められてきた児童扶養手当の増額や、給付型奨学金の創設などは盛り込まれず、貧困率引き下げの数値目標もないという全く不十分なものでした。
 OECD加盟国の中で日本は、実収入から税金や社会保障関係費を引き、児童扶養手当などの給付を足した税の再分配後の所得が、再分配前よりも低くなってしまう唯一の国です。国の政策が貧困を悪化させている唯一の国です。
 自治体にできるきめこまかな支援と共に、国による社会保障制度の充実、正社員で働くことが当たり前の労働環境の整備が求められます。