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むとう千里の「はっぴぃ通信」
2015年1月15日 №282
市民には負担増、施設には報酬引き下げ…これでは制度崩壊
介護報酬引き下げで経営は?
 特別養護老人ホームの入所待機者は調布市内で約400人。高齢化の進行、老老介護やひとり暮らし高齢者の増加などによって、施設での介護を必要とする高齢者は増え続けています。
 しかし、特養などの介護現場の人材不足は深刻で、東京都高齢者福祉施設協議会の調査(昨年12月現在)では、職員不足のために「入所の抑制」「ショートステイの閉鎖」という施設があることが明らかになりました。
 こうした介護現場の実態を無視して、政府は2015年度からの介護報酬を2.27%引き下げることを決定。全国老人福祉施設協議会の石川会長からは「赤字施設が3割近くに及び、賃下げもありえる危機的状況に陥る」との談話が出されました。
 調布の実態は…市内の特養ホームで伺ってきました。人材不足に関しては「給与が安く、仕事がきついため、先の見通しが持てずに辞めていく職員が多い。職員の確保が難しく、ここ数年、不足分を派遣職員で補わざるをえない」(施設経営者)、「何年働いても20万円そこそこでは家族がもてない。また、残業が多く、子どもができたら続けられない」「職員の入れ替わりが多く、介護の経験が積み重ねられない」(介護職員)とのことで、入所の抑制とまではいかないものの、人材確保は年々厳しくなっているとの事です。
 介護報酬の引き下げに関しては、「消費税増税や物価の高騰によってすでに運営費は厳しいが、その上報酬引き下げとなると、利用者の食費の値上げや、掃除洗濯の回数を減らすなど検討している」とのこと。さらに介護報酬の引き下げの理由として、特養などを運営している社会福祉法人の内部留保の問題が指摘されていることに関して「施設の修繕や改修に対して、国などの補助制度がないため、そうした資金を残しておかなければならない。また、新しく特養を増やす場合には、建設費補助はあるが土地代には補助制度が無いので、そうした資金が無ければ、施設を増やすことは不可能」とのこと。
 先の調査を行なった東京都高齢者福祉施設協議会は「このままでは、都内は介護崩壊です。その結果、老人漂流社会が到来します。介護・退院難民であふれ、在宅介護の悲劇が続くことが危惧される」と、コメントを発表しています。

保険料値上げは必至!?
 調布市では、来年度からの介護保険料の改定、15年度から17年度までの介護サービス拡充の計画を策定中。人材不足は、施設、在宅介護共に深刻で、課題は山積です。65歳以上の方の介護保険料は基準額(本人非課税)で現行の月4800円より1000円前後値上げになるとの事で、5500円を超えることは必至です。
 国に現場の声をあげること、負担増を最大限食い止めること、自治体の責任は重大です。